有限会社大野鉄工所

大野日記

キャンバー実証実験

2024年11月14日 

現在 製作中の工事で27,600mmの超ロングスパンの

大梁があって今日はその梁にキャンバーを設ける話

南工場では早速 社長とマーちゃんが架台を並べて段取り中

巻尺・トランシット・水糸・SPL・HTB・シャーレンチ他

サイズはH-588×300×12×20 スパンは27.6mですが

実際の梁の長さは3本繋ぎで24.3m  現場で地組です

先ずはジョイント部にHTBをセットして形状を保持します

梁芯に見えるのは水糸  キャンバーを見るには必須・・?

本日の検証は施工会社から要請があり3本繋ぎの大梁に

地組段階で80mmのキャンバーを付けられるかと・・

橋梁などは桁そのものにムクリを付けますが建築鉄骨では

ボルト孔のガタを利用してジョイント部で折るのが一般的

それにしても80mmとはちょっと大きくない?そもそも

孔のガタだけで80mmも折ることができるのかしら・・

ということで梁下2か所にライナーを挿入し計測します

この画で見ても中央付近が高くなってるの分かるよね!

両端部とも中央に比べて80mm下がっていることを確認

フォークで先端つまんでライナー調整    はさまれ注意!

形状が決まったらその状態を保持しながらHTBの本締め

実はマーちゃん(高橋課長)前身は鳶さん・・本領発揮

今日なんか床があるのに現場さながらのアクロバット

梁にまたがりながら下FLGをかちあげで・・やる~!

もう1ケ所の継手はタムタムがやらされてます  何しろ

シャーレンチ扱うなんか初めて・・社長も冷やかし

さぁ いよいよ80mmキャンバーがいくつ戻るのか・・

実モデルに近づけるため部材端部ギリギリに置きます

スパン24mの自由端で自重のみ撓みを計測しました

<考察結果>

1.製品を加工せずに孔の自由度だけで80mmの

  キャンバーを取ることは可能であった

2.キャンバーを維持したままHTBの本締めしても

  形状に変化は生じなかった

3.単純梁支点で自重のみの撓みを計測したところ

  28mmダウンし 52mmのキャンバーが残った

実際は仕口が剛接合となるほか大梁自重以外に小梁の

荷重を背負ったりするので正確には再現できません

本日の検証結果を報告し方針を決定していただきます

さぁ実はバラシが大変!本締め後のHTBはインパクトでは

緩まないんだ・・ スパナに単管パイプ通しておりゃ~!

なかなか楽しい実証実験でした 3名さんお疲れ様でした

 

 

 

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